木地師

木材の性質を知り尽くした家具製作職人
軽井沢彫における木地師とは、家具に合わせた木材の選定から、家具製作までを担当する職人です。木地師には木材の知識、経験、さらに後から彫刻が施されることを想定した高度な家具作りの技術が要求されます。軽井沢彫の家具の特徴として、釘や接着剤をほとんど使わない作りになっていることが挙げられます。これは、日本で過ごした外国人が帰国する際、分解して持って帰り、自国で組み立てて使えるようにしたためと言われています。また、軽井沢彫家具では、家具を一度仮組み立てした後、分解して彫刻を施し、再度組み立てる工法を取っていますので、工法上の都合からも、分解できる家具である必要がありました。接合部分には、「寄せ蟻接ぎ」など日本の伝統的な技法を西洋家具に応用し、独自の技術として受け継いできました。
一彫堂では、熟練の木地師たちが、お客さまのオーダーに合わせ、すべて手作業で家具を作っています。一つ一つの工程を丁寧に、細かい部分まで妥協なく作業することで、一生使うことのできる丈夫で美しい家具になります。